高森明勅

勇敢?無謀?冷酷?対イスラム国支援

高森明勅

2015年 1月 25日
例えば、産経新聞1月19日付の1面にはこんな記事が。

ヨルダン支援 対イスラム国 120億円 首相、積極関与を表明」。

安倍首相は、イスラム国との戦争“当事者”であるヨルダンなどに
巨額の財政支援を行うことで“
テロとの戦い”に「積極関与」
することを「表明」したのだ。

安倍氏の得意満面の笑顔が見えるようではないか。

この記事を読んで、
国際舞台での日本の“晴れ姿”
に喝采した向きもあっただろう。

だが昨年以来、日本人が2人、イスラム国に拘束されており、
政府は先刻、
その事実を承知していた―となると、
受け止め方がかなり違ってくるのではないか。

タイミング、やり方など、
周到な配慮のもとで慎重に選ばれた最善の策だったのか、どうか。

今回の中東歴訪について、こんな指摘があった。

「背景には、戦後70年の首相談話や集団的自衛権の行使容認に
国際社会の理解
を得ていくねらいもあるようだ」
(産経1月18日付))と。

要は、安倍政権のタカ派イメージを払拭しようということ。

その為には、人質になった同胞の命が失われても仕方がない、

と考えたのか。