小林よしのり

フランスの新聞の侮辱画は「表現の自由」に値しない

小林よしのり

2015年 1月 13日


フランスの三流新聞「シャルリーエブド」が、公共の必要性

もなく、ただイスラム教を侮蔑する漫画を描いた。

いつもムハンマドを侮辱する画を描くから、イスラム教の信者

にとっては、それは腹が立っていただろう。

風刺画と侮辱画は違う。

あの新聞の画は侮辱画である。

過激派のテロには批判的でも、だからといって、イスラム教徒

がムハンマドの侮辱画を容認しているはずがない。

 

ようするにこの「シャルリーエブド」という新聞は、

イスラム教徒に対して「ヘイトスピーチ」をしていたような

ものなのだ。

日本でいえば「在特会」や「ネトウヨ」のようなもので、

「言論の自由」なんか掲げてもチャンチャラ可笑しい。

 

「表現・言論の自由」は「公共の福祉に反しない限り」に

おいて認められるもので、イスラム教を侮辱する自由なんて

あるはずない。

 

フランスでの大規模な抗議デモを見て、さすが「言論の自由」

の国だとか、日本と同じ価値観などと言う新聞や識者は、

幼稚な人種だ。

革命のための理念である「自由・平等・同胞愛」が宗教と

なってしまった国で、理念を脅かすテロが起きると、理念が

原理主義になってしまう危険性がある。

 

「言論の自由」は絶対ではない。

あの新聞の侮辱画は、多くの犠牲者を出してまで表現する

必要性が、そもそもなかったのである。

 

(この件、今週の『小林よしのりライジング』でも論じている)