小林よしのり

右傾化の実態

小林よしのり

2014年 10月 15日


「右傾化してない」というのは「報道ステーション」での

古市氏の発言で、それを見ていたわしが「ゴー宣道場」で

指摘したんですね。

 

左翼が日本の現状を右傾化していると言えば、自称保守は

真ん中に戻っただけだと言います。

しかし書店を眺めれば、嫌韓本の氾濫に見られるように、

あきらかに極論的なタカ派意見が載っている本や雑誌の方が

売れてるし、「世界」などは同人誌レベルでしょう。

 

わしが高校生の頃は、「右手に朝日ジャーナル、左手に少年

マガジン」と言われるほど、若者のサブカル的教養が左翼化

していました。

学生運動の若者たちは、「明日のジョー」と「天才バカボン」を、

自分たちの気分を代表する漫画として熱中してました。

実はその頃の方がサブカルチャ―は大変豊かで、百花繚乱の様相

でした。

 

最近の若者のサブカルチャーは、ネットの嫌韓情報と、

愛国デモとヘイトスピーチが一番目立ってるような有り様だから、

精神の貧困化が進んでいます。

 

十数年前までは、保守論壇誌でも、浅田彰や大塚英志などが

載っていたし、紋切り型の論考ではなかったですからね。

今の右側の言論誌はネットの言説をそのまま載せただけの

プロパガンダ雑誌と言っていいほど劣化してます。

 

若者のネット依存と、団塊世代の隠れ転向が、現在の劣化した

右傾化言論の原因でしょう。

それしか商売にならないから、右傾化するのです。