小林よしのり

腐臭を放つ死体は生きて葛藤していた

小林よしのり

新刊情報
2015年 8月 25日


日常と戦争を切り離さず、平穏な日常の中に戦争の影が忍び

込んでくる描写は、こうの史代さんが上手い。

女性ならではの生活目線から戦争を描いてしまう。

 

では戦争の最前線である南の島で、米軍との戦闘終了後に、

累々と積み重なって腐臭を放つ死体の一人一人が、

想像を絶する血なまぐさい戦場で、何を考え、何を悩み、

勇気と卑怯の葛藤を繰り返した末に絶命していったか?

それを描くのは男の仕事だと思う。

 

戦後70周年で、815日で波が引くように戦争を忘れる

のではなく、戦場での人間心理を直視してみてから、

戦後の平和の意味を考えてみてはどうだろう?

 『卑怯者の島』