小林よしのり

偏見という差別

小林よしのり

マスコミ・報道
2015年 8月 23日


日曜日の朝に報道番組がなくなって本当につまらなくなった。

仕事してるから、平日の昼間に国会中継なんか見れるわけが

ないのだから、日曜日にまとめて報道してくれればいいのに。

 

昨日、安彦良和氏と対談して、書店員とも少し話したが、

やっぱり「小林よしのり=右翼=危険人物=恐い人」という

一度つけられた偏見はとれないものだと再認識した。

偏見によって、著書を読んでみることもなくなり、敬遠される

だけになるのだ。

世の中から差別がなくならないはずだ。

 

朝鮮人に対しても、部落に対しても、黒人に対しても、ユダヤ

人に対しても、前科者に対しても、一度思い込まれた偏見を

取り除くのはほぼ不可能なのかもしれない。

 

だが少なくともわしの場合、偏見を除去するために、考えを

変えることは出来ない。

だが、有効な理論を知って悟った場合には、根拠を示して考えを

修正していくことになる。

だがそのような思想形成の営みを知っているのは、熱心な読者

だけだ。

 

世間のほとんどの人に伝染していくのは偏見である。

あいつは右翼だ!あいつは前科者だ!あいつは朝鮮人だ!

人物理解の方法として、もっとも単純な方法が偏見である。

 

朝鮮人が井戸の中に毒を入れた、小林よしのりがネトウヨを

作った、これらは同質のデマだと思うが、わしの著書を

読んでみたこともない者が偏見を拡散する。

「ネット」という道具が、人から人への「噂・偏見」を、

もっと速く、もっと大規模に拡散する。

人を見抜く能力が著しく低下して、ネットの情報だけを

信用する人間が増えた時代には、人々の感情は劣化する一方

である。

 

だが、熟読して分かってくれている読者もいるのだから、

右派からも左派からも偏見を持たれていようと、それでも

阿らずに描いていくしかない。