小林よしのり

尊皇攘夷がわからぬ者は保守ではない

小林よしのり

2015年 5月 6日


NHK大河の『花燃ゆ』が面白くないのは当時の武士や草莽の

感覚が全然分からないからである。

主人公の感覚が完全に現代人の生命至上主義で、松下村塾の

志士たちの天下国家への憂慮と野望を微塵も理解していない。

登場する女たちは、ただ現代風の平凡な暮らしに、志士たちを

閉じ込めることだけに執着している。

なぜあなたたちは危険なことばかりするの?

なぜ暗殺なんて犯罪を考えるの?

私は夫と平凡な暮らしがしたい、何も起こらない平穏な人生を

望むのに、危険なことばかりしないでちょうだい・・・なんて

言ってる女なんかウザくてしょうがない。

俳優のせいではない。脚本がそうなっているのが悪い。

 

アメリカ議会で演説した安倍首相を誇りに思っている国民は、

吉田松陰の「留魂禄」の意味がわかるのだろうか?

 

「討たれたる吾をあわれと見ん人は君を崇めて夷払えよ」

「七たびも生きかへりつつ夷をぞ攘はんこころ吾れ忘れめや」

 

どうせ「尊皇攘夷」なんて時代錯誤としか思ってないのだろう。

安倍首相などは、

「夷(アメリカ)崇めて君(天皇)払えよ」になってしまって

いるのだから。

尊皇攘夷を現代人に共感させることができなければ、幕末から

明治を描く意味などない。