小林よしのり

黒田総裁、国債大量発行のリスク

小林よしのり

2015年 2月 23日


株価だけが上昇しているので、マスコミも冷や水をぶっかけ

たくないのだろうが、黒田総裁が経済財政諮問会議で、

「国債の大量発行のリスク」について5分間も

演説したという話は、放っておいていいのだろうか?

 

ヨーロッパでは国債リスクがゼロというのはおかしい

という議論になってる。

今後、日本国債を持っていることがリスクになる

議論が本格化すれば、大量の国債を持つ日本の金融機関が

国債を手放し始める。

結果、国債が暴落し、金利が急上昇する

 

この黒田総裁の発言は、自らが異次元の金融緩和として、

大量に国債を発行したにもかかわらず、トリクルダウンが

起こらないし、実質賃金が下がって、悪性インフレにしか

ならないことがわかり、不安になって、安倍首相に対して、

財政再建を重視してくれと直訴したようなものだ。

 

ピケティの格差論争も、黒田総裁に影響を与えたのだろう。

自信がなくなってきたのである。

自信がなくなってきたものだから、失敗したときに備えて、

「私は首相に直訴までした」というアリバイ工作をやって

いるのだ。

これはオフレコ発言としてされたためか、議事録からは

削除され、その後、箝口令まで敷かれている。

 

日本はギリシャとは違う、銀行が国債を手放したら、

日銀が買えばいいという理論が果たして成り立つのか?

 

タコの足を異次元に伸ばして、お前それタコじゃないよと

言われたら、自分で食いちぎって栄養にすればいいと

言ってるような違和感があるが、果たして大丈夫なのか?

 

銀行預金は価値がなくなりそうだし、不動産は暴落するに

決まってるし、そろそろドル預金に切り替えた方がいいの

だろうか?