高森明勅

井上毅の男系主義

高森明勅

2016年 3月 26日

明治の皇室典範が男系主義を採用する際に決定的な役割を果たした
井上毅。

その「謹具意見」では、たとえ皇胤(皇室の血筋を引く者)であっても
皇籍を離れて国民の仲間入りをした以上は、
もはや臣下の血筋なので、
そのような者の血統が受け継がれると皇統は「姓ヲ易(か)フルコト」
(事実上の断絶)になると、拒絶していた。

井上の血統観を前提とする限り、旧宮家系“国民”
男子に新しく皇籍の
取得を認めるという選択肢は、
政治的理由の如何に関わりなく、
全く認められない。

逆に井上の血統観に囚われないなら、男系限定の根拠は
男尊女卑」以外なくなる。

さてー。