高森明勅

日韓合意「勝利」論の水準

高森明勅

2016年 2月 6日

産経新聞は「保守」系メディアの代表的存在。

阿比留瑠比氏は同紙のエース記者。

その阿比留氏は日韓合意を「7対3で日本の勝ち」と
(『正論』3月号)。

だが、今回の合意で
欧米のメディアは日本が強制連行を正式に認めたと理解している」
(秦郁彦氏)ーとの批判にも、次のように反論する。

外国のメディアが『日本が強制連行した』とか『20万人』などと、
いろいろ書いてきたのも今に始まった話ではありません。
…これはこれで今後正していかなければなりませんが、それを正す
前提として、
まず一番告げ口外交を展開する韓国を黙らせる必要が
あった」と。

驚くべき本末転倒。

韓国の告げ口外交なんか放っておけば良い。

やればやるだけ韓国の異常さが際立つだけ。

それより、これまでの外国メディアのデタラメな報道に、
安倍首相の名前による国際社会への公式な意思表明自体が、
しっかり“お墨付き”を与えてしまった事実の方が、わが国の名誉と
国益にとって致命的。

これはこれで今後正していかなければ」などと気楽に述べているが、
この度、
安倍政権がそれを殆ど不可能にするような大失態を犯して
しまった
ことに何故、気付かない。

わが父祖の歴史の“冤罪”を晴らすより、安倍政権の擁護を大切する
「保守」って一体、
何なのか。