小林よしのり

感動ポルノですみません

小林よしのり

日々の出来事
2016年 9月 8日


パラリンピックの開会式を見てたら、身体にマヒのある女性が

聖火ランナーを務めて、おぼつかない足取りでよちよち進んで

いくからヒヤヒヤしてたら、なんとすっ転んでしまった!

聖火が地面に投げ出されてしまった!

 

はあ?演出か?と思ったら、そうではない。

本当にすっ転んだのだ。

 

すると観客が一斉に立ち上がり、拍手をしながら声援を送る。

 

あわててスタッフが飛び出してきて転んだ女性を起こし、聖火

を持たせたら、またよちよち歩き出して、次の人に聖火を

つないだ。

 

さらに大きくなる観衆の声援。

あたたかい歓声が会場を包み込み、鳴りやまない。

 

いかん!ここで泣いたら感動ポルノだぞ!

ただ聖火をつないだだけであり、もし健常者がすっ転んだら

「吉本のお笑いか!」と突っ込むしかないような光景じゃ

ないか!

わはははは・・何も泣く要素はない。

 

障害者がすっ転んでも「お笑いか!」と突っ込めばいいじゃ

ないか!

なぜそれができん?

差別か?差別してるのか?

 

障害者なら、よちよち歩いて、すっ転んで、起き上がって、

聖火持たされて、次の人に渡す、それだけで大歓声になる。

なぜだ?なぜだ―――――っ!

 

・・と思って泣きました。

 

感動ポルノですみません。