高森明勅

譲位への「玉音放送」

高森明勅

2016年 8月 8日

以前、私はブログで「聖断は下った」と断言した。

もしこれが間違っていたら、私は腹を切らない迄も最低限、
今後、
皇室について一切、発言するのを控えねばならない。

それくらいの覚悟はした上での断言だった。

8月8日、遂に天皇陛下ご自身によって
象徴としてのお務めについての天皇陛下のお言葉」
明らかにされた。

まさに譲位に向けた“玉音放送”と称すべき内容。

比類なく重い。

その中で、陛下は以下のようにおっしゃった。

「これから先、従来のように重い務めを果たすことが困難になった
場合、
どのように身を処していくことが、国にとり、国民にとり、
また、
私のあとを歩む皇族にとり良いことであるかにつき、
考えるようになりました。
既に80を越え、
幸い健康であるとは申せ、次第に身体の衰えを
考慮する時、
これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを
果たしていくことが、
難しくなるのではないかと案じています」と。

直接、譲位を望む、とはおっしゃっらなくても、
ここまで明確にお考えを示されれば、
陛下のご真意について
誤解が生まれる余地はない。

やはり、陛下は譲位を願っておられた。

「聖断」は下っていたのだ。