小林よしのり

おりこうさんのラップで投票を呼び掛けている

小林よしのり

日々の出来事
2016年 6月 18日


新宿駅前で若者がラップしてる様子がテレビに映っていた。

なんと「選挙行こう」とか「投票」なんて言葉を繰り返して

いるのだ!

ようするにシールズ坊やが「選挙に行こうぜ!」と連呼してた

やつのマネだ。

これが東京都選挙管理委員会の主催だというのだから呆れる。

 

ラップってこれほどまでに体制派だったのか?

「民主主義って何だ?」「これだ!」も相当な幼稚さだったが、

シロウトゆえのダサさかと思っていた。

ところが新宿駅前では、若者に人気のラッパーが集まって、

選挙管理委員会のために、「選挙行こう」「投票!投票!」と

やってたのだ。

 

選挙管理委員会は「ぺこ&りゅうちぇる」を使ってCM動画

を作っているし、もう若者は馬鹿という認識の上に、教育

しようという腹が見え見えだ。

 

「選挙に行こうぜ!」とか、すさまじい体制派!馬鹿の極致!

ラップは大人に「おりこうさん」と頭なでられたい若者の文化

だったらしい。不良性がゼロなのだ!

税金もらってラップするアホらしさに誰も何とも思わんの

だろうか?

 

ロックもラップも全部、体制派に取り込まれて、権力者の飼う

羊と成り果てた。

多分、今の若者に、「体制派」とか言っても意味が分からんの

ではないか?

 

学校の教師たちは、「主権者教育」に頭を悩ませているらしく、

生徒にどうやって「主権者」意識を持たせるか、本気で考えている。

放っときゃいいのに、わざわざ何をしてるんだ?

 

こんな時代だから、わしが描いた『民主主義という病い』が、

いかに過激なのかがよく分かった。

この本は、この社会ではタブーなのかもしれない。

『戦争論』と同じか、それ以上にタブーだったようだ。