小林よしのり

一にも二にも「社会保障」だ。

小林よしのり

政治・経済
2016年 6月 3日


経済成長と言っても、現状の少子高齢化社会と、資本主義の

フロンティア消滅で、高度経済成長のようなものは無理だ。

だからといって、低成長は持続せねばならない。

 

その際一番大切なことは「社会保障」だ。

 

安倍政権が言うように、その財源を経済成長による税収増で

まかなうとしたら、それは無理だ。

アベノミクスで経済成長はしなかった。

貧富の格差が拡大したのが結果である。

 

消費税は低所得層に不利になるから、しなくてもいいのだが、

その低所得層も、安倍政権に票を入れる。

富裕層優先を低所得層が支持するなら、「社会保障」の財源が

見つからない。

 

わしは「公的」には累進課税の強化でいいと思っているが、

爆発的に本が売れたときにごっそり税金で持っていかれるのが

「私的」にイヤだ。

 

一にも二にも「社会保障」であり、それが個人消費のエンジン

になる。

つまり左翼の経済政策こそが、経済の低成長の持続を可能とする。

アベノミクスの代案をわしは出せるが、それをきちんと出す

野党がいないのが問題なのだ。