小林よしのり

珍しいチーフ広井のお手柄

小林よしのり

日々の出来事
2016年 5月 25日


チーフ広井が前々から「先生は今でも『おぼっちゃまくん』が

描ける」と言い続けてきた。

わしはそのたび、「ウザい奴だなぁ、無理に決まってるだろ」

と思ってきた。

 

いくら何でも30代で地獄の思いで描いていたギャグ漫画が

50代・60代で描けるはずがないと思い込んでいた。

わしを殺す気かと思っていた。

 

広井はギャグ漫画の方が絵を描くのが楽だから言ってるん

だろうと、邪推していた。

 

今さら過去のヒット作をパワーダウンして蘇らせて、自分の

衰えを人に見られ、恥をかくのは嫌だと思っていた。

 

だが今回、『おぼっちゃまくん』を復活させようと思ったのには、

いくつか動機がある。

一つにはソフトバンクのCMに使われたことであり、

 

もう一つは映画『マッドマックス 怒りのデスロード』を見た

ことである。

ジョージ・ミラーが70歳にもなって「マッドマックス」を復活

させ、それが前作以上の密度と狂いっぷりになっていたことに

衝撃を受けたのだ。

年齢は関係ないかも・・と思い出した。

 

さらに「コロコロアニキ」での復活がネットで話題になったのも

大きい。

 

だが、わしがいくら無視しても、ずっとチーフ広井が馬鹿みたいに

『おぼっちゃまくん』をもう一度と言い続けてきたことが、

そもそも大きいだろう。

そのチーフ広井が、今日、コンテを見て、メールで絶賛してきた。

確かにわしが間違っていた。

描けないと思い込んでいたが、描けますね。