小林よしのり

高森氏の新書は「生前退位」に関する論考の到達点

小林よしのり

皇室・皇統問題
2016年12月2日 01:07


高森明勅氏の『天皇「生前退位」の真実』を読んでいる。

ゲラで読んだのは、わしが描いている『天皇論 平成29年』

に間違いがないかを確かめるために、ざっと流し読みした

だけだった。

細部まで熟読するのはやっぱり本になってからの方がいい。

 

ここまで「生前退位」の問題点を整理できて、順を追って

正確に説明していくためには、憲法も、皇室典範も、

皇室の歴史も、皇室関連の学者や研究者や評論家の論考も、

将来の皇室のシミュレーションも、すべてを網羅して

自分の脳内で整理しておかねばならない。

ここまでやれる者は他にいないだろう。

 

今後、「生前退位」についての論考を他に書く学者が

現れたとしても、絶対にその論考には瑕疵がある。

高森明勅氏のこの新書は到達点であるから、これ以上の

論点や解釈はあり得ない。

 

ましてや男系固執派、つまり有識者会議に呼ばれている

者たちが、「生前退位」についての論考を書いたら、

ほとんどお笑い並みの、欠陥だらけの本になるに違いない。

 

有識者というなら、高森氏を呼ばないのは絶対にあり得ない。

 

さて、そこで、わしの『天皇論 平成29年』である。

これは高森氏が行った制度に関する厳密な論考は

あらかじめ捨てている。

漫画に向かないのだ。

わしが描いている作品は、徹底的に庶民の情を揺さぶる

皇室の真相であり、皇室と国民の関わり方の話であり、

国民にとっての天皇の意義の問いかけである。

 

高森氏が「論理」で、わしが「情念」で、皇室を守るため

には、なかなか強力なタッグだと思う。