小林よしのり

豊洲移転は支那事変である

小林よしのり

日々の出来事
2017年 3月 20日


豊洲移転こそが「解」だという前提に立てば、

小池都知事は不作為の責任が問われることになる。

橋下羽鳥の番組で、誰もが科学的合理主義から豊洲は

安全と言っているのだが、わしには全く理解できなかった。

 

科学なんか常に「仮説」である。

それは原発が安全と思い込んでいた失敗から学んだ。

 

わしは元々、築地残留派であり、「築地ブランド」を守り、

築地市場を改善していくことこそが「解」だと思っている。

 

豊洲移転を決定し、だらだらと進めてきたのは支那事変の

失敗と同じだと考える。

この流れをいったん中断した小池都知事の判断は正しい。

よくやったと褒めたい。

政局に利用しているなどという邪推を、わしは受け入れない。

小池百合子の人気に嫉妬しているのだろう。

 

近代化こそが善というが、馬鹿馬鹿しい。

近代化というなら、今どきは産地直送システムであって、

仲卸業自体が衰退する産業である。

それを豊洲のビルに閉じ込めて、延命措置をしたところで、

どうせ衰退する流れは止められない。

ならば、築地ブランドを守るしかないではないか。

 

築地から「市場」本体を消滅させれば、ブランド力が落ちる。

豊洲ではブランドの形成は無理である。

結局、移転すれば、築地も豊洲も共倒れになる危険がある。

 

科学と合理こそが正義と妄信して、その実、全然合理的では

ないのだから、今どきの知識人は、支那事変を止められな

かった戦前の軍人と同じメンタルなのだろう。

情けない。