高森明勅

自民党「憲法」公約のショボさ

高森明勅

2017年 10月 3日

自民党の選挙公約。

6つの重点政策の最後(!)
憲法改正を押し込んだ。

いかにも微妙な扱い。

しかも、中身が“見事に”空っぽ。

自衛隊明記(最低最悪!)、
教育無償化(わざわざ改憲の必要無し)、
緊急事態対処、参院「合区」
解消とメニューだけ並べても、
「党内外の十分な議論を踏まえ、
憲法改正原案を国会で提案、
発議し、国民投票を行い、
初めての改正を目指す」とか。

どこまで国民を馬鹿にしているのか。

殆ど何も言っていないに等しい。

「憲法改正原案を…国民投票を行い」は、
教科書に書いてある憲法改正手続きを、
そのまま引き写しただけ。

「初めて」も、これまで1度も改正が行われていないのだから、
誰でも知っている当たり前の事実。

それを「“初めて”だって。スゲー!」と感心してくれる
(無知で浅薄な)国民を、
目当てにして公約を書いたのか。

「党内外の十分な議論を踏まえ」とか「目指す」というのは、
腰が引けている時に使う常套句。

やる気は無いんだけど、
それなりのポーズを取らなくちゃいけない場合の言い方だ。

「“9条”を改正する」という表現すら避けている。

それも知らずに、「安倍首相はやってくれる!」
と期待する(無知で浅薄な
)国民を目当てに、
この公約は書かれている。

改憲の期限も無し。

今年の5月3日に、安倍首相は“自民党総裁”として
2020年を新しい憲法が施行(!)される年にしたい」

と明言して、拍手喝采を受けたのではなかったか。

安倍氏自身が本気ではないのか。

それとも、安倍氏に自民党をまとめる力が無いのか。

あるいは、その両方か。

「改憲」公約の中身がショボ過ぎる。