高森明勅

私の(周辺の)キス事件

高森明勅

2018年 4月 30日

ジャーナリストの笹幸恵さんが「私のキス事件」という
ブログを書いておられた。

若き日の出来事が素材。

それを読んで、私も遥か昔をちょっぴり思い出した。

但し、私の場合は周辺(!)でのキス事件。

主役の彼女は私の中学時代の同級生。

中学卒業後は1度も会っていない。

私の(本格的な!)初恋の相手だった。

勿論、片想い。

彼女は、私とは違う小学校に、東京から転向して来ていた。

その頃、(少なくとも地元・倉敷では)女の子は
必ず赤いランドセルだった。

そんな中、1人だけ黒いランドセルで、
当たり前のように通学していたそうだ。

小学校時代から男の子たちの憧れの的。

中学校では同学年の男子の殆どが
彼女に好意を寄せていたのではな
いかと思われるほど
(妄想ではなく)。

決して飛び抜けた美人ではない(
現役時代の山口百恵さんを
少しブスにした感じか。
もし本人が読んでいたらゴメン)。

頭は抜群に良く、控えめながら芯が強いタイプ。

その彼女に、やはり私の中学時代の同級生だった
プレイボーイ野郎が、
人前でキスをした。

ーという話を耳にした。

2人は成績優秀な県内の同じ高校に進学(私は県外へ)。

その同窓会での出来事。

もう20代になっていたので酒も入っていた。

その席でいきなり彼女にキスをしたとか。

私の友人がプレイボーイ野郎から
その時の様子を聴かされていた。

その野郎いわく、
「実は中学時代からずっと彼女に憧れていた。
高校でも女の子には不自由しなかったけど、
彼女への密かな想いは断ち切れなかった。

他の女の子なら平気で喋れるのに、彼女だけは無理。
そのまま未練を残して卒業し、それっきり別れ別れになった。
同窓会で久しぶりに会って、やはり胸がときめいた。
酒の勢いもあり、勇気を出して、悪ぶって急にキスしてみた。

その時に、彼女は別に嫌がりもせず、目を見開いて、
蔑むような眼差しを注ぎ続けた。
あの時ほど自分が惨めに思えた事はない。
いまだにあの時の傷痕(
きずあと)から立ち直れない」と。

さすが彼女。

少し怖いけど。