小林よしのり

職業倫理を持たぬ人たち

小林よしのり

日々の出来事
2018年 4月 11日


文芸春秋5月号に「自殺・財務省職員父親の手記」という

記事が載っている。

「息子は改ざんを許せなかった」とあるので、これを読み

たくて買った。

 

ところがこの記事に対して遺族が抗議しているというのだ。

この手記を父親が書いていないと言っている。

父親は文春記者に息子を亡くした思いを話したが、「手記」

として載るとは聞いていなかったという。

 

なんだよ、それは。

インタビューに答えたものを「手記」として載せていい

のかよ。

ライターが「盛って」書いてる可能性もあるから、信憑性

に疑問が生まれるじゃないか。

月刊文春も週刊文春も、「手記」と題された文章の信憑性

はかなり疑わしい。

 

「手記」の方が生々しく感じるから売れるのだろうが、

「手記」じゃないものを「手記」としてまとめると、

インタビューよりライターが操作できるので危険である。

 

最近のライターのレベルは酷くて、インタビューにせよ、

対談・鼎談のまとめにせよ、すごくヘタクソで、テープ

起こしのまんまだったりする。

あとで修正に手間がかかるから、わしはインタビューにも

対談にもできれば応じたくない。

文章化されるときに、全然納得できないのだ。

みんな職業倫理というものを持ってないんだろうな。