泉美木蘭

もし私がヤラセの貧困報道を担当する人間だったら

泉美木蘭

2016年 8月 24日

もし私がヤラセの貧困報道を担当するディレクターだったら、
撮影前に、貧困女子高生として顔出ししてくれるという子の家に
下見に行って、部屋を見せてもらった段階で、

「あらー、けっこう部屋に物がありますねえ。
ちょっとアニメグッズも多いかなあ。
これじゃ貧乏に見えないから、この部屋で撮るのは難しいかな。
もっと古くて狭い部屋はありませんかね?
物置きがわりにしてる4畳半の和室? ああ、いいですね、
ここ、エアコンもないし。その奥の薄型テレビって片付けること
できます? 無理ならタオルケットをかけるとか。
いや、そういう新品のじゃなくて、洗濯もののような感じに見える
ものがいいんですが。
で、座卓の前に座っていただいて、そこに例のキーボードを置いて、
話してもらえますか?」

とか、やるけどな。
それがネット民の想像するレベルの「貧困」なんでしょ。
だったら、ヤラセをするなら、そのレベルに合わせますよ。

貧困家庭に物があふれている例はよく知ってる。
べつに本人の問題でなく、そうなってしまう現象も起きる。
体感でも話せることもあります。
またライジングで書きます。

連載はじめたばかりの「わたくしの人たち」のほうが、
どんどん間があいちゃうけど、あれは小説だから、
1回ずつ読み切りで楽しめるように書けばいいのさっ。