泉美木蘭

平時にもどる。

泉美木蘭

2016年 1月 2日

夜9時に実家を出発して、東京の自宅に到着したのは朝6時。
途中、名古屋を出たあたりから25キロほどの渋滞があった。
やっぱり新幹線にすればよかった。
尾てい骨が痛すぎる。
そして、東名高速・海老名SAの窓際の席は、なにゆえこの寒空に、
冷房をがんがんきかせていたんだろう。
しかもあれは「強」か「急」だ。
腰かけて熱いカップスープを飲もうとしたら、冷風でみるみる湯気が
吹き飛ばされて冷めていくのだ。
天井を見上げると、凍てつくような冷風が私の顔に降り注いだ。
故障? たまたま私のいた席だけ? まったくの謎だ・・・。

今年の正月は、弟のお嫁さんがいてくれたことによって、
家族がそれぞれのパーソナリティを紹介しあうという意図をこめて、
いつもそう話題にしないことを積極的に会話にのせるという現象が
起きて楽しかった。
ほとんどは、弟の子供時代のオモシロ話だったけど。
母が、私のことを紹介がてら、

「この人は、私やあなた(お嫁さん)みたいに、家庭を持つという幸せは
欠けているタイプの女性だけど、その分、人や体験には5倍も10倍も
恵まれているのよね」

と言い出した。おまけに、

「末は、生活保護か野垂れ死にか、どうなるのかわかったもんじゃないけど、
どうせ私はその頃にはこの世にいないから知ったこっちゃないし、
本人は、めちゃくちゃおもしろい話にいつも取り囲まれ続けてるから、
納得して死ぬんでしょう、まあなんとか生きてって、って感じなの」

とまで言うので恐れ入った。
母の言う通りのことを私はずーっと内心で思ってきていたんだけど、
娘本人が堂々と口にするのも、親に対してなんだか恐縮デス・・・
という感覚があったもの。

さて、そんな正月も終了し、自宅の机の前に腰を掛けたらたちまち
心が平時にもどった。
実家ではずいぶんのんびりしたけど、やっぱり自分の机は格別の
落ち着きがあるなあ。