泉美木蘭

なにかにしがみつくのは・・・

泉美木蘭

日々の出来事
2018年 10月 20日

「過去に座り込んで、思い出話をさめざめ語るような女には
なるんじゃない、それはただ時計の針を止めるだけ。
今の連続を回転させていくこと。
それから、他人の世界へ入り込んでいこうとしないこと。
こちら側とあちら側をわきまえる、
それが、女らしいということだと思う」

生きている人は死ぬ。
だけど、遺された言葉がこうして私のなかで呼吸している。

感傷的になることはあったとしても、
「自分には理解者がいない」とか、
「傷ついた心を誰もわかってくれない」とか、
そういう言葉にしがみつくのはあまり好きじゃない。
もちろん助けられることもあるし、助けることもあるけど、
悲劇に居直って、私情・私怨の沼のヌシになってしまうと、
泥のついた手で他人にしがみついたり、足を引っ張ったりして
しまいがちだ。だから気を付けたいし、理解されてたまるか、
という跳ねっかえりも大事にしておきたい。

自分にはまったくなんの非も責任もないのに、
突然に理不尽な厄災が降りかかってきて苦痛を背負うことって、
何度もある。
かと思えば、もう十分に大人であるはずの自分の選択や決断が
間違っていたり、考えが全く足りていなかったりすることもある。
あるいは、苦労を買ってでもその道を望んだり、
誰かを傷つける苦渋と後悔も引き受けて、答えを選択することも
あると思う。

現実ってまったく容赦のないもので、丸く収まるなんて幻想なんだ、
ということを思い知らなきゃ、強くなんてなれないのかも。
そんなことがふと頭によぎる土曜日。
個人のつぶやきです。