小林よしのり

誤読を放置していいのか?

小林よしのり

日々の出来事
2018年 9月 7日

『おぼっちゃまくん』の画稿をチェックしたら、今回の
話は登場人物が何十人も出てくるからか、絵が入ると、
わちゃわちゃして、可愛くて、最高に楽しい。
これが漫画だ――――!と叫びたくなるような作品だ。

男女平等イデオロギーを医療現場に徹底させるのは危険
ではないか?という話をしてるのに、読者のコメントを
見たら、いつの間にか終末期医療の話にすり替わっている。
慰安婦の「強制連行」の議論が、「強制性」にすり替わった
時のような違和感を覚える。
テーマが分かってないし、誤読もしてるんだろう。

さくらももこの漫画には「嫌悪感」がないと書いたら、
「さくらももこには毒はある」という話にすり替わった。
これも誤読だ。
毒のあるなしなど、ひと言も書いてないのに、文章の
意図が読みとれてない。
「嫌悪感」とあえて書き、「エレファントマン」の例え
まで出してるのに、伝わってない。

誤読!誤読!誤読!
『戦争論』の意図もこうして大きく誤読されて、レッテル
を貼られて、バッシングされたままである。
次号の「SPA!」『ゴーマニズム宣言』から、『戦争論』の
正しい読み方を、作者自らが説明するというシリーズを
始める。

わしは今、『よしりん辻説法』のシナリオをやっている。
まだコンテに入れない。今週中に上げられるか?

今日の夕方は『ゴーマニズム宣言』の単行本の企画会議
がある。
すでに『ゴーマニズム宣言』というタイトルで、数巻出て
いるのに、全く同じタイトルでいいのかどうかが問題だ。
内容は濃密に読者サービスをする本にしたい。