小林よしのり

わしの才能を振り返る。

小林よしのり

日々の出来事
2023年 11月 30日

70歳になって分かったことは、天才作家は20代でデビューして、
そのデビュー作が作家人生を如実に象徴している。

『東大一直線』が偽善を排し、オチが「ごーまん」になって
しまうブラックなギャグは、わしの素質そのものである。

凡才ならば、ヒット作1本で終わってしまうが、天才ならば、
30代で第2の大ヒットが出る。
これは作家の素質が開花してしまう作品だ。

『おぼっちゃまくん』を今読むと、あまりの天才性に驚いて、
「これは誰だ?」と思って、嫉妬してしまう。
今現在、インド版アニメで新作を作る作業は、30代のわしに
対する挑戦となる。
今の脚本家と、インドのスタッフと共に、30代のわし自身を
超えられるか?

40代で『ゴーマニズム宣言』がヒットするが、これも
『東大一直線』のオチの部分が完成した作品で、デビュー作
の延長線上にある。
そして『戦争論』で戦後民主主義への挑戦となったわけで、
これも今読めば、完成度の高さに感動するしかない。

50代、60代は、『ゴーマニズム宣言』の「毒」で、
戦後民主主義が生んだ宿痾と戦い続け、全体主義に屈しない
態度を身をもって示してきた。
コロナでも、ジャニーズ(キャンセルカルチャー)でも、
全体主義に屈せず、今も証明し続けている。

70代では、『おぼっちゃまくん』のアニメがインドで
大ヒットしたために、自分の才能の遺産を、どう残すか?
どう他国に育むか?という課題に取り組んでいる。

まだまだわしの挑戦は続く。