小林よしのり

インド版アニメ『おぼっちゃまくん』の脚本の秘訣

小林よしのり

日々の出来事
2023年 11月 23日

最近、送られて来る『おぼっちゃまくん』の脚本が、
不調だ。
プロットの段階では、全体が短いから、ぽんぽんギャグが
出そうな気がするし、わしの創造力で埋め合わせて読んで
いる部分がある。
それが脚本になると、全体が長くなるし、詳細になって
くるから、ギャグが出てないし、冗漫になってしまう。
プロットに比べて見劣りがしてくるのだ。

そもそも『おぼっちゃまくん』は非常に難しい作品で、
アイデアが緊張感がぬけると、安易に「露骨な拝金主義と、
つまらない下ネタ」に堕ちてしまう。
PTAがいかにも先入観で見てしまう「露骨な拝金主義と、
つまらない下ネタ」にわざわざ自ら飛び込んでしまうと、
この作品はおしまいだ。
日本だろうとインドだろうと、視聴者はそれを見ぬいて、
一気に人気が落ちるだろう。

「露骨な拝金主義と、つまらない下ネタ」という言葉は
自らを律するために覚えておいた方がいい。
拝金主義も下ネタも効果的に使うならいいのだ。
脚本の全体から緊張感が失われれば、「またカネや宝石で
解決か」となってしまうし、「また下ネタか」と侮られて
しまう。

基本的に、「カネ」と「下ネタ」と「茶魔語」以外の
ギャグネタを出さなければダメだ!
この3つに頼った脚本はダメだ。

わしは今日、仕事場に行って、秘書みなぼんとトッキー
相手に『おぼっちゃまくん』のプロットを作る。
貧ぼっちゃまのキャラを、誤解されないように固める
話を作っておかねばならないのだ。

インド版アニメ『おぼっちゃまくん』は絶対に成功
させる。
そのために時間がとられても仕方がない。