小林よしのり

インド版アニメ『おぼっちゃまくん』シナリオライターの皆さんへ。

小林よしのり

日々の出来事
2024年 1月 24日

茶魔の話づくりは圧倒的に難しいです。

茶魔は大金持ちで、お助け軍団という人材がいる。
この2要素があれば何でも出来ます。
早い話が、目的を達成するために障害になる人物は、
全員買収すればいいわけです。
都合のいい人物を続々でっち上げて雇えばいいわけです。
超能力者を何人も雇って、使用すれば茶魔は何もせずに
目的を達成できます。

その罠に嵌まると、超ご都合主義な話が出来て、
全くつまらなくなります。
「現象」だけを見せられると、退屈なだけで、
何のカタルシスもありません。

やはり人間なのです。
茶魔の「キャラクター」がメインで、付属する金や人材は、
キャラを活かすタイミングで出すべきなのです。
これは『おぼっちゃまくん』の原則です。

まず茶魔のキャラクター!
そして、脇役のキャラクター。
茶魔のキャラクターは良い子じゃありません。
甘えっ子で、自己中で、常識外れなアホで、パワフルで、
ずる賢くて、なのに憎めない、可愛い、というキャラクターです。
このキャラクターを存分に活かす設定を考えてください。

現象はダメ!
キャラクターの可笑しみはOKです。

頑張って、またインドでNo.1になりましょう!