小林よしのり

夢とルサンチマンと権威主義

小林よしのり

日々の出来事
2024年 7月 25日

わしは夢しか見ない。70歳過ぎてもまだ夢しか見ない。
しかもなるべくスケールの大きな夢しか見ない。
全くあり得ない夢を語っていたら、誰もついてこない。
70歳過ぎても、まだあり得ると思ってしまうから、
人はついてくる。
そこには大いに打算もあるだろう。
この人について行けば、損はしないと計算するのかも
しれない。
いや、それなしに70歳のジジイについて来るはずない。
詐欺師が騙す手口と同じなのだろうか?
一番シビアに判断できるのはアメリカの銀行かもしれない。

わしはルサンチマンに囚われることが大嫌いだ。
反吐が出る。
だから過去の恨みはどんどん忘れる。
親から「二十歳まで生きられない」と言われて育った
ことをきちんと覚えていて、作品に何度も描いているが、
恨みは忘れていて、感謝しかない。
編集者から面と向かって「もうおまえの時代じゃない」
と罵倒された記憶も鮮明に覚えているが、恨みは忘れて
しまって、感謝しかない。

成功しているからだろうか?
ルサンチマンに囚われないから成功したのだろうか?
いや、たかがこの程度で、成功したとか言っている
ようじゃ小物の証明にしかならない。
夢を見続けるにはもちろん地道な努力と苦悩はついて
回る。

しかし、世の中の権威主義には、諦めつつ敵対心を
持っていて、これだけは忘れることはないだろう。
一生戦う相手は権威主義である。