小林よしのり

妻がわしを信頼する理由

小林よしのり

日々の出来事
2024年 4月 16日

大谷翔平が通訳・水谷に騙された事件は、他人事とは
思えない。
わしも若い頃から騙されたことは何度でもあるが、
この歳になってもまだ騙される。

だからわしは猜疑心が強い。
「信頼」を裏切られることほど辛いことはない。
はらわたが煮えくりかえる。

ほんのすぐ傍で何十年も支えてくれた者くらいしか、
わしが信頼して油断する者はいない。

自分をなぜ信頼しないんだ?と言われたって、相手の
過去や、生活実態や、価値観が分からないままで、
信頼なんて出来るはずがない。

独善的で、自分本位に考える奴は、自分は騙される方で、
騙す方じゃないと主張するが、自分を客観的に見る目が
乏しいだけである。

自分を疑うことも必要だろう。
わしは自分の快楽のためには、基本的に嘘つきだから、
あえて嘘つくべき状況と、絶対に嘘をつかない状況を
弁えている。
わしは正直者ではない。
嘘はつかねばならぬと思っている。

わしの妻は、わしを信頼する理由として、「ゴッド・
ファーザーだから」という理由を上げる。
わしもコッポラの「ゴッド・ファーザー」は好きで、
妻の感性の極道っぽさを信頼している。