小林よしのり

『夫婦の絆』のわしのペン入れを全力で進めている。

小林よしのり

日々の出来事
2024年 11月 5日

『夫婦の絆』(最終回)のわしのペン入れを猛烈に
進めている。
漫画の世界は権威主義がゼロだし、肩書きもキャリアも
一切通用しない。
「実力」だけ!「才能」だけの世界だ!
人気投票しか評価の基準がないから、最終回まで手を
抜くことは出来ない。

ただし、連載する雑誌自体の部数は、単行本の売り上げ
にも大きく関係するから、少部数の雑誌だと多くの人の
目に届かない。

だがそれでも「はだしのゲン」が、大部数・人気投票
主義の「少年ジャンプ」の中で必ずしも人気投票が取れ
なくても、当時の編集長の英断で、連載が続けられ、
単行本になってから「名作」と評価され、読み続けられ
るということもあるのだから、描く動機が明確にある
ときは、最後まで自信を持って描いておかねばならない。

手塚治虫の『火の鳥』も『アドルフに告ぐ』も連載終了後
の評価が高くなって売れた作品群に入る。

『おぼっちゃまくん』のように、大部数の雑誌で連載し、
当時から大ヒットだったが、連載終了後30年も経って、
外国(インド)で再び大ヒットになるという不思議な
運命を辿る漫画もある。
漫画は連載終了後も、何が起こるか分からないジャンル
だから、とにかく作者は全力で描いておくしかないのだ。