小林よしのり

百歳まで生きて羨ましい男を初めて見た。

小林よしのり

日々の出来事
2025年 7月 26日

義父が100歳なので、お祝いをしに行ったのだが、
もう入院していて、延命治療はせず、自覚的に
食事を摂るのも止めてしまったので、骨と皮だけ
になって、呼びかけると反応するだけになっていた。

とてつもなく爺ちゃん孝行の孫娘がいて、いつも
病院にやってきて、爺ちゃんを可愛がっている。
アイドルみたいに爺ちゃんの写真を貼ったうちわを
作ってきていて、病床で爺ちゃん爺ちゃんと呼びかけ、
眠そうにしていても、無理矢理起こしている。
けれど、あんな優しくて、美人で、気の利く孫娘に、
顔を撫でられながら可愛がってもらえて、世界一
幸せな爺さんだ。

娘や孫の呼びかけには応じて、わずかに反応するが、
娘の夫であるわしの顔まで覚えちゃいまいと思って
いたのに、帰り際にわしの手に何度もハイタッチして
くれるのには驚いた。
家族や親戚まで女だらけなので、義父は男が好き
らしい。

確かに百歳祝いに集まった家族・親戚は女だらけで、
やたら華やかで明るかった。
義母ももう98歳で元気だから、あと2年で百歳の
お祝いをしてやらねばなるまい。

わしの両親は短命でとっくに死んでしまった。
義理の両親は百歳まで生きて、ひ孫までいるのだから、
全く不思議だ。
『おぼっちゃまくん』のファンばかりで、わしも
有名人扱いで、和やかな時間を過ごした。