小林よしのり

鳩山由紀夫のクリミア訪問は愚劣

小林よしのり

2015年 3月 17日


鳩山由紀夫がクリミアに行ったのは、北方領土奪還のためには、

プーチンに媚びを売っておいた方がいいという安易な考えから

だろう。

だが、馬鹿馬鹿しいのである。

元首相と言っても、鳩山は権力を持ってないし、日本国内での

信用度が歴代首相ワースト1くらいになっている。

ロシアだってそのくらいのことは調査済みだから相手にする

はずがない。

 

それより国際法を無視して突如、クリミアに侵攻し、武力制圧

するやり方の方が、大問題である。

クリミアでの住民投票は武力制圧の後であるから、信憑性を

疑われても仕方がない。

 

この突然、武力侵攻してくるやり口は、日本の終戦後、日本軍が

武装解除したあとに、ソ連軍が一方的に北方領土に攻め込んで

きたあの卑怯さを思い出す。

そもそもロシアは信用ならない国なのだ。

 

しかもクリミア併合の際、プーチンは核兵器の準備をしていたと

豪語している。

まるで北朝鮮みたいな恫喝外交だ。

 

ウクライナの首相を毒殺しようとしたり、野党党首を暗殺したり、

ロシアはまともな法治国家ではない。

あんな国に住みたいなら、鳩山由紀夫をさっさとクリミアに移住

させるべきだろう。

秘密警察の監視に置かれ、言論の自由もない国柄を味わうがいい。

 

「反米」なら「親露」というわけにはいかない。

帝国主義の時代が終わって、国際法を少しは進化させる方向で、

国際社会は努力せねばならない。

国際法無視の侵略は、アメリカだろうとロシアだろうと中国

だろうと、許すべきではない。

もちろん日本の集団的自衛権の問題は、この国際法無視の侵略

に関わる重大問題として認識すべきなのだ。