小林よしのり

宇多田ヒカルの天才は健在だった

小林よしのり

芸能・文化
2016年 5月 16日


飛行機の中で宇多田ヒカルの「花束を君に」をフルバージョンで

聴いた。

朝ドラでは出だしだけで、きちんと聴いてなかったが、

全部聴くと衝撃を受けた。

二回目を聴くと、いつのまにか涙があふれ出ていて、あわてて手で

拭ってしまった。

ハンカチを出す余裕もなく泣いてしまっていた。

 

なんという歌を作るのだ、宇多田ヒカルは。

もともと持っていた藤圭子を母とするドラマティックな人生の上に、

本人の人生経験も深くなり、とうとうこれほど人の魂を揺さぶる

楽曲を作ってしまった。

小手先で作るのではなく、歌が自分の人生そのものに深く根差して

いることを宇多田はよく分かっている。

やはり天才だった。

 

デビューした時から凄いと思っていたが、60過ぎのわしの心を

揺さぶるとは大したアーティストだ。

機内で50回は繰り返して聴いただろう。

それでも飽きなかった。

 

そして、わし自身の仕事の発想にも刺激を与えてくれた。

宇多田ヒカルに感謝する。