泉美木蘭

女を弱者にする女の正義感は危ない

泉美木蘭

2016年 4月 24日
我々は一日で生理と書き過ぎである。

でも、『生理』で白熱論争になったり、
『売春合法化』で議論が沸騰したり、
ゴー宣道場って本当にものすごい場所だと改めて思いました・・・。

たまたま初めてここを覗いた人は、びっくりしてるのでは・・・あはは。

小林先生がちらりとブログに書かれていた、

「男の意見は誰か一人が代表できるものではなく、
個人個人の見解があるだろうと考えるのに、
女の意見は女全体の意見の代表だろうと誤解しがち」

という部分に深くうなづき、ここがとても危険なポイントなのでは?
と思い至りました。

見解を受け取る側が、それが「女性の意見」というだけで、
過剰に《無視できない貴重なもの》と持ち上げる場合もあれば、
見解を述べる女性が、さも自分が全女性の代弁者であるかのように
振る舞ってしまう場合もあります。
どちらも、女性個人の主体性を無視して、女をナメているから起きること。
「女はみんなこういうもの」とひとくくりにして蔑視しているのと同じです。

特に、慰安婦問題については、「性」という部分に関して、
一方的に、激烈に、男性を非難しまくる女性が弁をふるい、
「女性は虐げられているんだ! 女性の意見を潰すなんて鬼畜!」
みたいな、こわばった論調がまかり通ってしまって、
さもそれが全女性の共通感覚であるかのように流布されたりします。
その、振りかざされた「女を弱者にする女の正義感」こそが、
社会への圧力であり、
女性全体を縛りつけ、黙らせる原因になってきた
のだと思いますし、そこへ埋没してしまうと、

女という性を背負った者ならではの人間性が育む感性、
その人が本来持つ
感覚などを見失ってしまうのではないかと感じます。

そうだ!
おまけで書いておきたいことがあるんですけど!
昨年、松尾スズキさんとの対談で、「ろくでなし子事件」の話題になって、私

「ろくでなし子大嫌い! 嫌なんですよ。嫌いなんです。嫌なんです。
ほんと、おまえの◎◎◎にどのくらいの価値があるんだ!って思うんです。
あれを一生懸命、ゲージュツカだとか言って持ち上げる人、大嫌いなんですよ

って言いまくったんです。
で、対談をまとめた編集者の方が、この発言部分を本当に丁寧に、
あますところなく、すべて、しゃべった通りに掲載してくださったがために、
後日すごい勢いで、彼女の支援者の人からメールで罵倒されちゃいました。

「貴女のようにあられもない小説を書いている、曲がりなりにも作家の女性が、
ろくでなし子さんに理解を示さないなんてがっかりだ! この残りカス!」

みたいな。うるさいっちゅうの。一緒にすんな!
作家の女性なら支持するに決まってるっていうその大雑把すぎる分類、
一体、なんなの。

以上、愚痴でした。ぷんぷん!