小林よしのり

日本は契約書ではなく高信頼の社会だった

小林よしのり

日々の出来事
2019年 7月 25日

羽鳥慎一モーニングショーでまた吉本問題をやっていて、
「反社会勢力」との繋がりという論点が、宮迫の思惑
どおり、今は「吉本の幹部が悪い」という論点にすり替わ
ってしまっているのを馬鹿らしく眺めていた。

それでも注目点が見つかるもので、玉川徹氏は根っからの
組織人、しかも安定企業の組織人の論理を主張しているの
であって、だから「契約書、契約書」と連呼する。
契約書が新しい時代の常識だと思っているらしい。

だが、わしが「SPA!」で連載するために交わした契約書
なんかないし、「FLASH」も「小説幻冬」も契約書なしで
描いているので、人気がなくなりゃ切られるだけ!
それは編集長の意のままである。

そもそも日本は「高信頼社会」であって、契約書よりも
信頼で資本主義が回っているのが国柄なのだ。
モーニングショーを見ていたら、吉本の元マネージャー
の言うことはよく分かる。
芸能の世界と、一般企業の組織の論理は、全然違っている。

その上、言っておきたいことがあるが、日産も1万人を
リストラするそうだ。
もはや一般企業とて、契約書で安定が保証される時代では
ない。
企業も、芸能界も、出版界も、弱肉強食が基本論理であり、
根っからの組織人には、それが分からないのだろう。

だからといって、わしが新自由主義を支持しているわけ
ではなく、身障者を生産性だけで排除するような社会は
ダメだという山本太郎の考えには大いに賛成している。