お遍路休憩所に排外主義の真相
『ゴーマニズム宣言』が、SPA!やSAPIOで
連載されている頃からずっと、現場からの報告があった。
良き観客として注目してくれている読者が、
いざという時には現場から重要な報告をしてくれる。
今はわしの個人サイトに、そういう人からの投稿がある。
今日も重要な現場報告があったので、紹介したい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
唐突のメールを失礼します。他に連絡手段がないために、
こちらのメールフォームを利用させていただいております。
4/10付けの時浦氏の「お遍路休憩所に排外主義の
貼り紙が貼られている」件の記事について、まがりなりにも
四国八十八箇所を一巡した者として、ネット上の拝外主義者
の中であまりにも現地を知らない人間の妄語が多いため、
僭越ながらお伝えしたい事があり、連絡を取らせて
いただいています。
まず、第一に申し上げたいのが、拝外主義者達が
「道路標識等々にシールをペタペタ貼っている」事を
問題視していますが、そもそも市街地を中心に電柱、
道路、標識の支柱等に約7000枚の「へんろシール」を
道しるべとして貼り始めたのは「へんろみち保存協力会」を
始めとする現地の方、つまり日本人なのです。
「道路標識等々にシールをペタペタ貼っているのは
ピンクチラシと同じ。」というような拝外主義者も
いるようですが、これは現地の方々への冒涜に
他なりません。
そして「現地人が言うには欧米の人はこんな案内標識が
なくても問題なく回れているらしい。」という嘘を
喧伝している者もいるようですが、これは明らかな捏造です。
四国八十八箇所は札所と札所の間が徒歩5分程度のものから、
最長になると80kmを超える場所まであります。
そんな距離を外国人が徒歩で案内標識なしで回れるなど、
少し想像力があれば無茶だと判ります。
それから標識に間違いが多い事をつつく人もいますが、
残念ながらこれは日本語の標識でもある事なのです。
類似した例ですと、先述した「へんろみち保存協力会」も
発行した地図に修正すべき点が見つかれば知らせて
欲しいと呼びかけています。
(→https://www.iyohenro.jp/contents/activity)
実際、私も間違った標識に右往左往した事もありますし、
地元の方が親切に教えてくださった道が結果として
間違っていたという経験はあります。
ですが、それを含めて道中に起きた事は
「全て大師様のお計らい。」と思うのが遍路なのです。
(私自身は、そこまで至っていないので不明を恥じる
他ありませんが。)
そして、最も肝心なのは、この排外主義の張り紙の
問題点は、他の外国人の目にも付くという事です。
今回問題になっているような休憩所には、休憩した
遍路さんが自身の名前の書かれた納め札を名刺代わりに
おいていったり、それこそ壁に貼る習慣があるのですが、
よく見ると欧米からお越しの方もかなりいるのです。
そういう人々が、この張り紙を見てどう思うのか心配です。
以上、お忙しい中大変失礼いたしました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「運動家」の言葉は空疎だが、現場を知る者の言葉は
腑に落ちる。
わし個人の能力には限界があるので、こういう現場からの
報告は本当にありがたい。