ゴー宣179章、高森師範のチェックについて・その2(改訂)
(byよしりん企画・トッキー)
現在発売中の「SPA!」掲載、ゴーマニズム宣言第179章についていただいた、高森師範のチェックについての感想と結論、続きです。
申し訳ありませんが12時頃に上げたブログに間違いが見つかったので、以下全て書き直します。
高森氏は、ゴー宣の以下の部分の説明について、「男系継承」への誤解があるように思うと指摘されています。
それによると、
1. 男系継承とは、皇位継承者の資格を皇統に属する男系の人物に限定すること。
2. 女性天皇でも、男→男→男→という形で皇室の血統を受け継いでいれば「男系継承」。
歴史上の女性天皇の多くはこのケース。
3. 女性天皇の血統を受け継ぐ人物Aが皇位を継承すれば、その人物の性別に関係なく女系継承。
元明天皇→元正天皇がこのケース。
4. Aが男性であれば、その子Βの継承は厳密な概念規定では男系継承。
Αが女性で、その子Вが継承すれば女系継承となる。
元正天皇は独身なのでそうなっていない。
次に即位した聖武天皇は文武天皇の男子なので男→男で男系継承。
ということだそうです。
つまり、歴代天皇のうち「元明天皇→元正天皇」のみが女系継承であり、この一例以外は全て男系継承だったということになるわけです。
ということは、やはりゴー宣で描いているとおり、「一代でも女が挟まったら破綻」であって、男系派の言っている「万世一系の男系」とかいうのは破綻しているということになるわけで、その大筋の部分では間違っていないという理解でよろしいでしょうか?
あくまでも問題は、大筋の部分で間違っていないかどうかです。
それにしても、こうやって「男系」「女系」という議論をしていくと、私の頭が悪いせいかもしれませんが、どんどんわけがわからなくなっていきます。
男系主義の本場であるシナでは、上のゴー宣で描いているとおり、男系といえば「男→男→男→」という継承のことで、だからこそ史上唯一の女帝である則天武后は徹底して否定的に扱われているし、孔子の子孫の系図など、見事にひとりの女子も入らず男だけで繋がれています。
文化人類学的な解釈でも「男系」は男のみ、「女系」は女のみの系譜を指すはずです。
そもそも、皇統が「男系」だの「女系」だのという意識は前近代には存在しなかったはずですし、ましてや「女性でも男系女子なら男系継承」という、複雑で特殊な「男系」概念は、明治以降の日本の皇統男系固執派の世界にしか存在しないのではないでしょうか?
こんな特殊なことを言われても、一般の人には理解できません。
そもそも男系派は、わざと話を難しくして、一般の人にはわからないようにして、国民的議論になることを阻止しようとしているとしか思えません。
出来るだけ広く国民の関心を呼び起こして、国民の力で皇統断絶を防ぐというのが、よしりん先生の戦いです。
ですから、誰にでもわかる、大筋で正しいところを追究することが第一となります。
専門家としてどこまでも精密で正確な知識を追求しておられる高森先生からすれば、杜撰とも見え、細かい穴がたくさんみつかっておられることと思いますが、どうかそのような姿勢の違いについて、ご理解ご容赦いただければ幸いです。
また、私も門下生一同も未熟ながら、高森先生のご研究を基礎として戦ってきておりますので、今後ともどうかご教示のほどよろしくお願いします。
重ねて、12時頃にアップしたブログについて、私としてはあくまでも理解の及ばないところを質問するつもりで書いたのですが、もしも批判や反論のように見えたとしたら、ご無礼を深くお詫びいたします。