あきんどボンを関東隊長に任命する
関東設営隊は設営に関しては実にスムーズに準備できる実力があるらしい。
ただ、全体を統括する人物が出てこないのである。
誰もリーダーをやりたがらないのだ。
自分の現場が忙しくて、責任のあることは出来ないのだろう。
次は合議制でやるなどと言いだす。
わしが「学級民主主義」が嫌いであることは、『ゴー宣』の読者なら了解済みだと思っていたが、責任の所在を散らして、みんなで仲良くというのは、わしからすれば不安でしょうがない。
名古屋は初代隊長から今まで、必ず誰かが挙手して、代表を務めてきた。
大阪は子持ちの主婦が、一回隊長を辞任したのちに、再び隊長に立候補して務めている。
えらいというしかない。
こうなったら必ずしも関東を拠点として開催する必要はなく、今後は名古屋を拠点にするかとも考えた。
名古屋の隊長は「むしろファイトが湧く」とまで言ってくれた。
名古屋は近いから、新たな拠点にはふさわしい。
「直訴制度」を始めたのはカレーせんべいだ。
これは自分の地域で「ゴー宣道場」を開催してくれと直訴して、わしがOKを出したら、そこから設営隊を募るというシステムで、主体性が強く、熱量が高くなるから、素晴らしいシステムだった。
関東は拠点意識があるから、直訴をしたことがない。
だが、わしはある人物をじっと観察して、考えていた。
ちぇぶの子分みたいに見られて、あくまでも控えめに、謙虚に手伝いをしているが、ボンという男はそれだけじゃないと思う。
ちぇぶに噛みつかれてもへらへら笑って全然気にしない性格といい、自ら商売を立ち上げる独立心といい、「ゴー宣道場」や公論イベントを資金面から支えようとするボンはただものじゃない。
わしはボンに打診してみた。
関東道場の隊長をやってくれないかと。
果たして「頑張ってやります!」とあっさり答えてくれた。
なんということだ!灯台下暗し!
ボンこそは武士のように控えていたが、安定感も抜群である。
立場が人をつくるのは確かだ。
小学生の頃、小児喘息に苦しむ「もやし」と呼ばれていたわしが、常に学級委員に選ばれて、ストレスを抱え込んでいたが、確かにあのときの経験は巨大な資本となっている。
学級民主主義は要らない。ボンを隊長として任命する。
これから名古屋に負けぬよう主体性を発揮して、大いに頑張ってくれ!