富岳のシミュレーションの結果論文を読むと・・
泉美木蘭さんとの共著『新型コロナ 専門家を問い質す』の短縮タイトルをわしは「専問い」にしようと言っていたのだが、生放送で泉美さんが「コロ問い」の方がいいと言い、すると視聴者が「コロ問い」の方がいいと、わしに反旗を翻した。
確かに「コロ問い」の方が、コロナをイメージするからいいのかもしれない。
仕方がない。短縮タイトルは「コロ問い」にしよう。
「コロナに関する専門家への問い」ということで、「コロ問い」ということだな。
その「コロ問い」の最終チェックを、昨夜、りか坊と電話で延々とやって、大変だった。
あれはりか坊だからわしも忍耐できるけど、普通ならもう「あんたが好きにやって!」と叫んで、逃げ出していたかもしれない。
けれどりか坊、大したもんだよ。
その中で一番苦労したのが「富岳」のシミュレーションの評価で、理化学研究所がまとめた論文の8月と10月の内容が、ごちゃ混ぜにされて報道されていて、泉美さんとも話し合って、重要な点に気付いてしまった。
やはり富岳のシミュレーションの「マスクの防御効果」では、10月の報告で、「大きな飛沫」については、上気道に入る飛沫数を3分の1にする効果があるが・・・
「20㎛以下の小さな飛沫」に対する効果は、マスクをしていない場合と、ほぼ同数の飛沫が、気管奥まで達するとの結論になっている。
一般的には、飛沫の大きさは5㎛だと様々な文献で説明されている。
つまり世界一のスーパーコンピュータ・富岳のシミュレーションは、20㎛以上の大きな飛沫を設定していたわけで、5㎛以下のエアロゾルだと、マスクはほとんど効果がないということになる。
これは重要な科学的結論なのに、正確な報道がなされていない。
あるいは記者が論文を読んでいないか、読めないのかもしれない。
科学は科学として、正確に受け入れなければならない。
その科学の結果をどう現実に反映するかはまた別の問題である。
「しないよりはマシ」という考えの人もいるだろうが、その程度なら、他人の「苦しいからしたくない」という「個人の自由」を侵すべきではない。
「マスク警察」の跋扈を許すべきではない。
基本的にマスクは一回ごとに捨てなければ、細菌が繁殖して不潔すぎる。
マスクをつけている人の半分以上は、昨日と同じマスクをつけているはずだ。
清潔好きの日本人としては、細菌だらけのマスクを嫌悪すべきである。