東京新聞、ラトビア記事の異様さ
東京新聞の今朝の記事を読んで、呆然とした。
「ラトビア『差別ない』」「女性医師率1位 70%超」「『男性増やそう』の議論起きず」「日本は20%、34ヵ国中最下位」と見出しでたたみかけている。
いかにも日本の医療業界は、女性差別をしていると誤解を生む記事である。
典型的な「海外出羽の守」の記事である。
海外にユートピアがあると妄信する記事だ。
ところが「外科の男女比は73%、27%と、男性が多くなるのはラトビアも日本も同じ」だと書いているのだ!
ラトビアでは「医学部進学の段階から、女性は七割を占める」らしい。
それだけ女性の医師志望の多い国でも、外科医に限っては、自然に男性が73%になってしまっている。
ラトビアでは、外科医は女性に圧倒的に人気がない職業なのだ!
なのに、記事中では、「男性の外科医を増やそうとする意図や、外科医不足の懸念は特にない」と書いている。
当たり前だ。
女性には人気のない外科医だから、男性が73%にもなって充填されているのだ。
これ以上、男性外科医を増やす必要なんか全然ない!
バルト三国はもちろん旧共産圏で、男女平等原理主義も浸透していただろうが、エストニアなども、ロシアから離脱した今の国情は相当に不安定で、男性の自殺率が増えて、女性の人口の方が多く、女性も志願兵で国防に参加している。
記事によると旧共産圏の国々は「西欧や米国に比べて医師の給与が低く、社会の平均給与レベルに近い。男性の人気の職業になりにくい」そうだ。
つまり、ラトビアでは医者のステータスが低く、給与が低いから、男性はなりたがらないわけだ。
一体、ラトビアまで行って、この記者は何を見て来たのだろうか?
東京新聞や朝日新聞が、男女平等原理主義の極左であることは知っている。
だが、極左の目から現実を見れば、こうも歪んだ解釈になるのかと、驚嘆する。
日本で問題なのは、入学の段階で、男女平等に合格させたら、女性が外科医を敬遠して、「外科医」が足らなくなるのではないか?という懸念である。
東京新聞の記事で、男女平等にしても、女性が外科医を避けるという現実は証明された。
では、男女平等原理主義者たちは、ラトビアのように、給与を下げて、医師のステータスを下げて、女性の医師志願者を増やせば、たとえ女性が外科医を敬遠しても、3K仕事の外科医には男性が来るさという考えなのだろうか?
日本では医師のステータスが高く、テレビドラマを見ていても、外科医はヒーローのように描かれる。
ブラックジャックだって、ドクターXだって、外科医はヒーローで高給取りだから、男性が目指すのだろう。
外科医のような技術職で、リスクの高い職業は、給与が高くて当然じゃないか。
そもそもラトビアでは、患者から見たら、安心できる医療を受けられているのか?
日本では、無駄に生き延びるためだけの延命治療や、患者がわがまま放題に医者を侮蔑する現実もある。
「生命至上主義」は、わしも大嫌いで、「安楽死」を合法化して欲しいと願うのだが、同時に救出すべき命や身体は、全力で救って欲しい。
外科医はやはり、ヒーローであって欲しいと、わしは思っている。