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2016.08.31(水)

田原総一朗は隠れ男系派だったのか?

 

田原総一朗が官邸で安倍首相と会談し、「皇室典範改正を
やると時間がかかる。特別立法で対応しておいて、
改めて皇室典範を改正した方がいいのではないか」
提案したそうだ。
首相は「それもある」と答えたらしい。 

田原氏の意見は、まさに竹田恒泰や、男系固執派や、
日本会議が泣いて喜ぶ意見である。 

田原氏は週刊朝日に女性天皇も女系天皇も認めると表明
しておきながら、それは女性に媚びたいから言ってただけで、
権力者・安倍首相に会えば、男系固執派に有利な進言をする。
そういう作戦だったらしい。 

特別立法が憲法違反ということは、「朝ナマ」でも憲法学者を
自称する者なら、全員「違憲」の認識だった。
百地章も「違憲」と言ってたし、竹田も「違憲」と思って
いるから、皇室典範に譲位の項目だけを最後に書き込んで、
譲位だけで済ませようと、いかにもペテン師の口調で、
言ってたはずだ。
竹田と小林節は師弟関係だから、同様の考えだろう。 

特別立法は「違憲」だと男系固執派は分かっているのだが、
特別立法でやると政府が言うのなら反対するはずはない。
むしろ大喜びだ。
田原総一朗は実は男系固執派だったのではないか?

天皇陛下に「違憲」の疑いがある特別立法で譲位させるとは、
恐るべき不敬であり、天皇の権威の正当性に傷がついてしまう。
それでいいのか?

しかも特別立法で譲位だけさせておいて、皇室典範改正は
後回しにする、そんなことがやれると思うか?

女性天皇・女系天皇を認める典範改正案は、小泉政権で
成立ギリギリになったが、安倍晋三によって葬り去られた。 

その後、民主党政権で、宮内庁が当然動き、渡辺前侍従長が
「サンデープロジェクト」や他のメディアでも女性宮家の
必要性を訴え、皇位継承問題で、天皇陛下が夜も眠れぬほど、
お悩みになっていると何度も訴えていた。 

野田政権でやっと女性宮家創設案(一代限りの不完全なもの)が
出来そうになったが、政権が替わり、またしても安倍首相が
握りつぶした。

今度も典範改正は後回しとされ、いつの間にか安倍首相によって
葬り去られるのだろう。

田原総一朗氏は男系固執派に加勢している。
天皇陛下はただ単に「自分が疲れたから譲位したい」と
訴えるために、あの玉音放送をなさったのではない。

一般国民も分からないだろうが、自分が譲位すれば、
たちまち「皇太子不在」の不自然な現実が現れる。
それを政府に突きつけることができるからではないか!

そして皇室典範改正で、愛子さまを皇太子殿下にすると共に、
女性宮家を創るためである!

例え秋篠宮さまが皇太弟になったとしても、たった5歳の差で
あって、それは日本の未来を指し示す皇太子ではない。
少なくともあと30年間以上も、「皇太子不在」の時代が続くのだ。
そして天皇の崩御が先か、皇太弟の崩御が先かという未来
であって、そもそも秋篠宮殿下だって、そんな未来を望んで
おられるはずがない。

そもそも天皇陛下が、自分の本心とは違う譲位を強要された
としたら、それは「屈辱の譲位」にしかならない。
陛下はそんな事態を、唇を噛みしめて、黙認されるだろうか?
わしはそうは思わないのだ。

みんな今上陛下をなめている。
あのお方は、「公」のためにはものすごく過激で、
頭が抜群にいい!
だからわしは好きなのだが。
まあ、見てるがいい。
「シラス」天皇の凄さを思い知れ!