ゴー外！！（アスコム/単行本）第1巻
政治家からマスコミから知識人から一般大衆まで、嘘の責任感と情報と道徳観を振り回して、人質になった女子供を魔女狩りのようにバッシングしたあのイラク邦人人質事件。本書の題材は、そのイラク邦人人質事件である。だが、ことはあの事件の検証だけでは済まない。わしは見てしまったのだ、嘘をメディアと共謀で増殖させ、責任逃れのために弱者を生贄に捧げたこの国の人々の非道さを。日本国民よ、いいかげんに自分の姿を直視しなさい。あの事件は今現在の日本人の卑小さを映し出す鏡なのだ。事件が終われば、振り返っておのれの醜悪さに羞恥心を覚える誠実さもなく、さっさと忘れてしまえと居直っている下劣な精神に、天誅を加えねばならない。
第1巻（2004年8月発行）
まえがき
総論 あえて邦人人質を擁護する
サヨクとホシュの思想のねじれ／理性なき産経新聞の虚報／官邸主導のウソ情報／親米ポチは平和ボケ
詳論① ご都合主義の「自己責任」論
自衛隊の「復興支援」に名誉はあるか／戦場ジャーナリストの掟／称賛と非難の欺瞞／「自衛隊派兵」を強化した左翼・マスコミ／「自己責任」に込められた本音
詳論② 日本政府が本当にやったこと
政府は自己保身に暴走した／「現地対策本部」は現地になかった／日本政府は何もできなかった！／オレンジジュースは身代金のサイン！？／真の愛国者は「反権力」にもなる／ニヒリズムによる国家の暴走
詳論③ 政府御用・産経新聞の大虚報
連日の「声明文自作自演」説／1面トップでっちあげ記事／強きを助け、弱気を挫いたお抱え新聞／劣化ウラン弾は無害！？／「親米」のためならヒューマニズムは不要？／皇室は担いだ不名誉な賞／自衛隊員にも無関係ではない劣化ウラン弾／古森義久のみみっちいプロパガンダ記事
詳細④ 陰謀説に狂った知識人の群れ
メディア・リテラシーを放棄した稲垣武／『新潮45』のインチキ「現地独占スクープ」／嫉妬に狂った？石堂淑朗／人質は自作自演で死刑だ！？／中西輝政の国際大謀略論／中西輝政は戦後の若造／歴史を喪失した高山正之／親米保守は「準白人」の人種差別者
詳細⑤ 歪める「ネット言論空間」
ネット言論が変化した理由／「ネット保守」こそ「プロ市民」だ！／ネット言論と保守言論誌の「バカのスクラム」／ネットでナショナリズムが育つわけがない
詳細⑥ ヨロンのバカ―情報操作に踊った日本人の心性―
与党・閣僚はいかに「自己責任」論をあおったか／「日本特殊論」をめぐる議論の錯綜／やっぱりヘンなのか、ニッポン人／弱者を石持て追う曾野綾子／民間ボランティアは「第四軍の傭兵」／「やましい戦争」から目をそむける親米保守／テロリストは容赦しない／左右のイデオロギーでは真実は見えない／リカービ氏をめぐる情報操作の実態／政府負担経費はたった1815万円だった！
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