権力批判が困難な時代の覚悟
報道ステーションの古館伊知郎VS古賀茂明の口論で、
ネットでは古賀を英雄扱いする論旨のものがあるが、
とんでもないことだ。
安倍政権の圧力に屈して、古賀が降板させられたのか否か、
古賀がそう主張するだけで、客観的証拠はない。
今後の報道ステーションの内容を見てみるしかない。
この件はわしにとっても他人事ではない。
安倍首相とテレビ朝日の早川社長を結びつけたのは、
幻冬舎の見城社長という話なのだ。
見城社長はテレビ朝日の番組審議会委員長なので、
それができたのだろう。
見城社長は相当な安倍首相ファンらしくて、
『ゴー宣』の単行本で、わしが真っ向から安倍首相を
批判するのも快く思っていないらしい。
だが、それは単純に売り上げの問題なのかもしれない。
安倍政権批判をすると、単行本の売り上げが落ちるのだ。
つまり戦前と同じような言論状況になっていて、
政権批判は商売にならないというのが現状なのである。
・・と言っても、『ゴー宣』の売り上げは、どんなに
悪くても、4万部を切ることはないのだが。
だがそれでも、わしは被害者意識に陥らないのである。
なにくそと熱筆をふるって、『新戦争論1』は今のところ
3刷で7万部だが、まだじりじり売れ続けている。
この部数は、幻冬舎としても十分利益を出したはずだし、
『新戦争論2』はもっと売れるはずだ。
初刷りの部数としては、小学館から出した『大東亜論』の
方が、はるかに多いから、まだまだわしは『新戦争論1』
には全然満足していないと言っておく。
幻冬舎の社長が安倍首相の熱烈なファンだったとしても、
わしは被害者意識には陥らない。
作家の価値なんて、商売になるか否かしかないのだ。
古賀茂明みたいに我こそは正義と主張しても、
視聴率を大きく左右するほどの存在でなければ、
番組改編期に降板させられるのは当たり前じゃないか。
わしは報道ステーションを、政権批判能力と、古館への
信頼で見ているのであって、コメンテーターなんか
誰でもいい。
政権批判が商売にならないこの時代に、わしの戦い方と
しては、安倍政権を真っ向から批判しなくても、
世の中の空気を変える戦いに勝利する方法はある。
わしは自分の戦いを貫いて、必ずまたとんでもない
ヒット作を出す。
そのうち、絶対に吠え面かかせてやる!