解散総選挙について
解散総選挙の真の動機は「今なら勝てそう」である。
「野党が弱体化している今なら勝てそう」である。
野党をなめているからである。
だが消費税の先送りという判断自体が、
アベノミクスの失敗を告白している。
景気が良くなっていないという自白である。
株を運用している一部の富裕層だけが儲かって、
為替差益だけで多国籍企業の利益が出ている。
だがその多国籍企業が国内に設備投資するわけでも
ないから、トリクルダウンは起こらない。
海外に出て行った大企業が国内回帰することもない。
地産地消で、海外で工場を作り、海外で人を雇い、
海外の市場で稼ぐだけ。
中間層がどんどん崩壊して、貧困層が拡大する
超格差社会に向かって邁進しているだけである。
今後は派遣法改正で、生涯派遣社員も増大する。
国民の大半が、将来設計が出来ない不安な時代に
突入するので、結婚・出産の決断も出来ないから、
少子化も益々進む。
さらに国の借金が国民一人につき800万円に達する
赤字大国になっているから、当然今の若い世代に
つけが回って来るし、年金資金も株に投資されるから、
バクチに負ければ年金制度も崩壊する。
それでも安倍政権の支持率が高いから、
「今なら勝てそう」という判断なのである。
ここで一発、解散総選挙でリセットすれば、
政治とカネの問題で追及された負のイメージを
一気に忘れさせることができるという邪心もある。
「公」を意識した判断ではなく、「私利私欲」の
判断である。
大義なき解散総選挙、長期政権のための
解散総選挙である。
だがそれでもわしはこの解散を支持する。
安倍政権のやりたい放題にやらせておいて良い、
一党独裁政権で良いと、
国民が「全権委任」するのか否かを、
もう一度、確認できるからである。
安倍政権が敵なのか、愚民と化した国民が敵なのかを、
見極めることが出来る。