「kiss-ass外交」を「満額」と言う隷属民
日米首脳会談はリベラル系の米国人からは「kiss-ass外交」
と言われている。
「ケツなめ外交」という意味だ。
そりゃ当たり前だろう。まだ交渉が始まっていない段階で、
51兆円のインフラ投資と70万人の米国人の雇用に貢献
したいと宣言し、ゴルフで仲良しパフォーマンスをして
もらっただけの外交は、日本では「朝貢外交」と評するのが
常識である。
トランプからの回答では、防衛は「現状維持」のようで、
経済はまだ分からない。
FTAに持ち込まれるのは決定だろう。
三浦瑠麗氏のように「現状維持」が満額回答で「ホームラン」
と評するのは常軌を逸している。
もうとっくにトランプの交渉術に嵌っていて、最初にハードル
を上げておけば、実は現状維持でも、「満額回答」「ホームラン」
と思い込ませることが出来るという、実に簡単なトリックに
引っ掛かって、安堵して、喜んでいるわけだ。
日本人はそういうお人よしな面があり過ぎる。
そんな単純さではとても国際社会では生き抜いていけない。
なにより日本人の「主体性」のなさが尋常ではない。
トランプの主体性に盲従するだけなら、そこいらの幼稚園児
でもできる。
ポンポンと握手の手の甲を叩かれるのも無理はない。
「大丈夫だよ。俺に任せとけ。良きに計らってやるから」と
昨日今日、大統領になったばかりの人間に態度で示されて、
よく屈辱を感じないものだ。
アメポチ外交、ケツなめ外交、属国外交、従米・媚米外交は、
極まるところまで行った感がある。
だが日本人は世論調査でも70%がこのケツなめ外交を支持
しているのだ。
もう属国民である自分の精神を客観視することもできなく
なっている。
「親から見捨てられなくて良かった」と万々歳の体なのだ。
トランプは大統領就任の宣誓で、「保護主義は国の繁栄と
強化に寄与する」という意味合いの言葉を確かに言った。
本当に「保護主義」を意識して使っているのなら、自由貿易、
グローバリズムは徐々に反転していくことになる。
ただし、側近にいる金融のプロたちが、トランプを騙して
いくのなら、元の木阿弥に戻るだろう。
イギリスのメイ首相は「グローバル」という言葉を使ったが、
それは正確には「インターナショナル」という意味だろう。
今どき忘れられた言葉だから、「グローバル」を使ったに
過ぎない。
「国家主権」を「市場」に隷属させるグローバリズムで
いいのならEU離脱は必要ない。
あくまでも「市場」を「国家主権」がコントロールする
貿易に転換するのなら、それをインターナショナルな貿易
と言うのである。
日本人は、特に知識人は、資本主義とは何かが分かってない。
世界に普遍の資本主義などないという、わしにとっては
自明の感覚が、彼らには欠如しているのである。
それもこれも彼らが日本人の歴史感覚を失っているからに
他ならない。
そのうち、わしが資本主義とは何かも描いてやろう。
なんで漫画家のわしがこんなこと教えねばならないのかが、
さっぱり分からないのだが。