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2016.10.08(土)

プロなら批判も嫉妬も許される

 

『君の名は。』を「プロから見ると全然面白くない」と
酷評した江川達也が炎上し、『GANTZ』の奥浩哉から
「この人、なんのプロなんだろう」と批判されたらしい。 

わしは『君の名は。』を名作だと思ったし、新海誠監督の
過去の作品を見ても、なかなか面白いと思った。
また新作を発表すれば見に行くだろう。 

江川達也は嫉妬してるだけだろう。
だが、今活躍中の漫画家に、「この人、なんのプロなんだろう」
と言われるほど、惨めなことはなかろうと思う。
そう言われないように、現役でプロをやり続けるしかない。
プロとは、とにかく自分の腕で食っている者のことだ。
漫画家ならば、漫画で食っていく存在であり続けることだ。 

わしはテレビには、バラエティー番組は出ないことにしている。
プロのタレントではないし、なりたくもないし、漫画家であることを
忘れられてはマズい。
AKB48の番組はひと頃、次々出てしまっていたが、あれは
完全にのぼせ上がっていたのだ。
メンバーに会いたくて引き受けてしまっていただけだ。 

「朝ナマ」はしょうがない。
『ゴーマニズム宣言』という漫画の性格上、論客になって
しまったから、国のため、公のためには出なきゃいけない時も
ある。
だがわしは、肩書は常に「漫画家」しか使わない。
漫画でスタッフを雇って、食わせているからだ。 

わしは自分をプロだと思っているが、『君の名は。』は
間違いなくオタクの贔屓の枠を超えて、一般性を獲得した
作品であり、それこそがプロの証明ではないか。 

手塚治虫は若手のスター漫画家が現れたら、嫉妬していた
らしい。
それが許されるのは、手塚が現役のプロだったからだ。
プロであれば、批判も嫉妬も許されるのだろう。