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2016.04.04(月)

不倫を攻撃する若い世代

 

最近、異様なまでに「不倫」に対する世間の目が
厳しいと思う。
育休なんて言ってた国会議員が、妻の出産前に
不倫していたとか、その上、国会議員の仕事は
合コンとしか思ってないなどという、明白な
「公私混同」は当然責められるべきだろう。
国民は国会議員を不倫させるために税金払ってる
わけじゃない。 

ゲスの極みのボーカルのように、不倫相手を正月に
実家に連れていくというのも、不倫が本来、
忍ぶ恋だというルールを逸脱しすぎているので、
非難されるだろう。 

そもそも不倫は一般的には肯定されるものでも、
共感されるものでもない。それは原則だ。
だが、それにしても、最近の不倫すべてを糾弾する
風潮は異常だと思う。

昔から歌謡曲では不倫を題材にした名曲が次々に
生まれていた。
テレサテンの「愛人」「時の流れに身をまかせ」「空港」
「つぐない」、竹内まりやの「シングルアゲイン」
「マンハッタン・キス」そして「純愛ラプソディ」、
久保田利伸の「Missinng」は超名曲だった。
浜田省吾の「紫陽花のうた」「陽のあたる場所」などは
よく歌った。
サザンオールスターズの「LOVE AFFAIR」は
大好きな曲だ。
小林明子の「恋に落ちて」、一青窈の「ハナミズキ」、
そしてJUJUの「この夜を止めてよ」等々、不倫を
題材にした名曲はまだまだある。

不倫こそが本当の恋愛だと言ってもいいくらい、
それらの曲は切なくて美しい。
恋愛は障害があって燃えるものだから、現代では
「許されぬ恋」としての「不倫は文化だ」という言葉は
あながち間違いではない。
むしろ不倫を題材にした歌が出なくなったから、
歌謡曲がここまで衰退したのではないかと思えるほどだ。

最近の風潮では、若者ほど「不倫」や「反体制」を
責めるそうである。
ある意味、保守化していると言われるのだろう。
つまらない保守化だ。
千田有紀という社会学者の意見では、若者にとって
「不倫」は結婚という「特権」を持った者たちによる、
未婚者の性的自由への越権行為になるらしい。
「反体制」についても、サラリーマンになれない
若者たちの、「反体制とか気楽に言えた世代の
大人って楽でいいよな」という反発から生まれている
と分析している。
なるほど、勉強になる。 

格差が拡大するばかりで、20代の半数が貯蓄額0の
ままだという。
結婚もできない、正社員にもなれない若い世代の
ルサンチマンが、大人に対して反抗する世論が、
不倫バッシングに繋がっているのかもしれない。
つまらない時代になったものだ。
このつまらない時代を作ったのは、もちろん
安倍政権である。