YOSHINORI KOBAYASHI OFFICIAL SITE | 小林よしのり公式サイト

小林よしのりオフィシャルwebサイト

PROFILE LINK CONTACT
2015.09.13(日)

朝の討論番組を見て思う

 

今朝はTBS時事放談と、フジテレビの報道番組と、
NHKの討論番組で、安保法制の議論を見たが、
理論的にはやはり反対派が勝っている。

法案賛成派は、わしが自分の立場を離れて観察しても、
根拠が不透明になる。 

今朝のNHK討論では、政府の言う「存立危機事態」が
この先、実際にはないだろう、そんな事態になったら、
個別的自衛権そのものになってしまうということを、
賛成派すら認めている。 

経済的危機も「存立危機事態」に入るのかという質問には、
政府の方が必ずしもそうではないと認めている。

だとしたら北朝鮮の危機や中国の脅威を言っても、
無意味ということになる。

元々、安倍首相と外務省が画策した法案の動機は
中国の脅威と米軍の軍事費削減である。

内向きになるアメリカに急いで抱き付いて、
日本を守ってもらおうという一心である。

そのために米軍のお役に立ちたい、それはホルムズ海峡の
機雷掃海だ、それは邦人救出中の米艦護衛だと、無意味な
発想から出発したわけで、安倍首相の、米国と「血の同盟」に
なりたいという意欲が動機だ。 

最近になって、より具体的に中国・北朝鮮の脅威を強調した方が
得策と考えたようだが、NHK討論で賛成派が認めたように、
中国・北朝鮮が日本を攻撃することは実際にはあり得ない。

どうしても中東の戦争に関わることでしか、米国への
奉仕活動は出来ないのだ。

だったら「戦争法案」というのは、間違いではない。

シリアからの難民の状況を見ても、イスラム国を放って
おくことは出来まい。

案外、日本が欧米による中東戦争の後方支援をする時期は
早いかもしれない。