「従米法案」野党の参議院の議論に期待する
10年ほど前、自衛隊の存在を違憲とする憲法学者が
7割を超えていたという。
今は自衛隊合憲論の方が多いのか、それは知らない。
だが現行憲法の第9条を素直に読めば、第1項が、
戦争放棄条項になっていて、第2項で
「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない」
と書いてある。
間違いなく自衛隊は違憲なのである。
小学生の時にこれを読んで、自衛隊があるのだから、
憲法って大人の建て前なのだろうと思ったものだ。
大人になって、憲法第9条は、パリ不戦条約や
国民の生存権を利用して、自衛隊合憲論を
でっち上げたのだと知る。
馬鹿馬鹿しい欺瞞だ。
そして自衛隊を容認する国民が増えたから、憲法学者も
自衛隊合憲論者が増えてしまったのだろう。
だがわしは、それでも普通の国語力で第9条を読めば、
自衛隊は違憲としか読めないから、憲法改正を
するべきだと言ってきた。
「王様は裸だ」と言っているだけだ。
だが、合憲論の欺瞞が、とうとう集団的自衛権の議論で
崩壊しつつある。
どうしても、第二の解釈改憲が必要になってしまうからだ。
安倍晋三はもはや「憲法改正」は諦めたのだ。
ドイツのワイマール憲法が、ヒトラーの全権委任法で、
効力を失った手口を実践したのだ。
解釈改憲で米軍に追従する道を選んだのである。
だが同時に「立憲主義」も「民主主義」も崩壊してしまった。
政権与党の99・9%が国民に説明できない、
いや、安倍首相みずからも説明できない法案が
衆院通過したのである。
国際政治学者や軍事アナリストは、「立憲主義」を
軽んじてもやむを得ない国際情勢のリアリズムが
あるとするが、わしは中国の誇大な幻想に
怯えているだけとしか見えない。
集団的自衛権が行使できない現状でも、個別的自衛権の
充実と、平時の自衛権行使を整えるだけで、
日本は守れるからだ。
失うものの方が大きい「従米法案」のインチキを、
参議院で野党はもっと効果的な議論を展開して、
暴いてくれないだろうか?
期待している。