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2015.03.06(金)

異端の漫画と編集者

 

考えてみたら変な漫画の描き方してるなあと思う。

『ゴー宣』『戦争論』シリーズも確実に漫画なんだが、
漫画界の中では超異端と見られている。

漫画と思われていないかもしれない。

今描いてる例の大作はフィクションなので、
間違いなく漫画だ。

だが、一般の漫画誌に連載していたわけではなく、
後半は描き下ろしで描いて単行本にしようとしている。

描き下ろしの利点は一話、一話のページ数を
自由に決めることができることだ。

これは作家にとってストレスが少なくていい。

締め切りも自分で設定できるから、体調が良ければ
ガンガン進むし、体調が悪い間は描かなけりゃいい。

雑誌連載でない描き方は、わしに合ってる。

だがそんな作品が売れるのかどうかは全然わからない。

原稿料が出るわけじゃないから、単行本で売れなきゃ、
大赤字になる。

リスクが大きいのだ。

けれども雑誌連載で食っていくためには、
一本のヒット作を何十年も続けていかなければ
ならない。

それはわしには無理だ。飽きてしまう。

別の漫画が描きたくなる。 

自分の自由度を確保して、自分の描きたい
作品だけを描く。

異端なのかもしれないが、確実に支持してくれる
読者がいるのだから、これでいいのだろう。

今描いてる例の大作は、『ゴー宣』シリーズでは
ないのに、「SAPIO」編集部がこれを
完成させてほしい、単行本として
出したいと言う。

SAPIO」編集部が言わなかったら、わしは
放り出したままだったと思うので、これが売れたら
彼らの目が慧眼だったということになる。

作品を生み出すうえで、編集者の影響って、
やっぱり大きくて、動機を与えてくれる
場合だってあるのだ。