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2015.02.25(水)

フランス人も劣化した

 

フランスが本格的にイスラム国と戦い始め、
空母から戦闘機を発信させ、
空爆を繰り返している。

あの空爆の下には、イスラム国に占領されて、
生きるために従っている無辜の民もいるだろう。

女子供もいるだろう。

親を失った子供の中から、また新たな
テロリストが生まれるだろう。

あるいは孤児となった者たちが戦闘訓練を
受けて、有志連合の地上軍と直接戦闘をして、
虐殺されていくことだろう。

フランスは、911のときはイラク戦争に反対して、
アメリカとは一線を画していたのに、格差社会の
しわ寄せが移民の貧困を産み、希望の見えない
イスラム教徒の若者が、イスラム国に希望を
見出してしまうようになった。

結局、「自由原理主義」を奉じるフランスが、
労働力だけを目当てに移民を受け入れた
失策から生まれた問題だ。

国内にテロリストを育てる土壌が出来て
しまったため、フランスはイスラム国には
敵意を持つようになった。 

シャルリー・エブドの風刺画事件以降、
国内のテロのリスクも益々高まったから、
排外主義者も増えているだろうし、物騒すぎて
しばらくパリには行けない。

去年の5月はパリで美食を楽しんで、
毎日ワインを飲んでいたのが懐かしい。

楽しかったから、また行きたいと思うのだが、
安心して行ける日はいつになることやら。

イスラム国を「殲滅」なんてことが出来るのなら、
さっさと達成してほしいものだが、
地上軍を出しても、連中がシリアに
逃げ込んだらどうするのか? 

イラク軍だけで、その後のイラクの秩序を
守れるのか?

そのうちまた体制を整えたイスラム国が、
シリアから疑似国境線を越えてくることも
あり得る。

アメーバ状のイスラム国は、国境線を
意識しないから、触手を伸ばしたり、
引っ込めたり、果たして「殲滅」なんてことが
出来るのかどうか? 

そもそもイラク戦争のせいでイスラム国なんか
生まれてしまったのだから、考えてみれば
フランスも米国のしりぬぐいを
させられているようなものだ。

フランス人も911から考えれば、
ずいぶん劣化した。

エマニュエル・トッドが嘆くのはよくわかる。 

諸悪の根源はアメリカなのだが、フランス人も、
日本人も、そこを考えたくない
連中ばかりなのだ。

わしは単なる「反米主義者」ではない。

悪いものは悪いと、日本人の道徳観で
言ってるだけだ。